グランドセイコー 国産最強品質の時計の紹介

時計

パネライとジンに関してそれぞれ記事を書きましたが実は今回の記事とまとめて一本の記事として公開するつもりでした。

箇条書きでそのメーカー・ブランドの良さを書いていくだけのつもりが書きたいことを足していくとどんどん膨れていきました。それで仕方なく前編と後編の編成に切り替えました。が、そこから書き込んでいくと前編も2つに分けないといけなくなり、それぞれのメーカー・ブランドの記事になってしまいました。

どんどん泥沼にハマっていく感覚。(笑)

今回は国産時計の最高峰、「究極の普通の時計」グランドセイコーです。

グランドセイコー

もうこれは説明不要なほど支持されているブランド。贔屓するわけではありませんが、やはり国産を応援したい気持ちがあります。(オメガ党が言う矛盾www)

過去の記事でも書いたことですが、ブランドイメージと定番モデルの打ち出しが弱いだけで他は完璧な印象です。

実際、国内のお金持ちは外車とか外国産の時計がステータスとして身に着ける習性と言うか悪癖がありますが、外国の方の反応としてグランドセイコーはロレックスを超える評価を受けています。(もちろん賛否両論あります)

「なんとなくダサい」とか「時計はスイス産もしくはヨーロッパでしょ!」と言う意見がチラホラあるのですが、それを打ち破るイメージの改善ができればかなり良くなると個人的に考えています。

とはいえ、わかる人にはわかります。という事実と「本当に良い物は黙っておく」(取られない為とか、人が殺到しない為に)のが吉なような気がします。ちょっと宣伝するとわけわからないぐらい殺到するのが日本人ですから。(飲食店はテレビで紹介されると3ヶ月は増員が見込めるらしい)

隠れ家を宣伝すると人が増えるので教えたくない。とか

良店を紹介すると人が増えてゆっくりできない。とか

わかる人はわかってて、それを楽しんでいる。それが今のグランドセイコーの立ち位置なような気がします。大袈裟ですけどね。

スプリングドライブ

グランドセイコーの独自技術といえば゛スプリングドライブ〟です。スプリングといえば「バネ」ですが、バネを用いた技術ではありません。

昨今、車に詳しくない方でもハイブリッド車のことは知っていると思います。

スプリングドライブは時計界のハイブリッドモデルです。

機械式、クウォーツ式のメカニズムとそれぞれの長所・短所

機械式時計

機械式時計はゼンマイを動力にしてテンプ(振り子)を動かしそのリズムを歯車を使って時を刻みます。振り子は重量の影響を受けやすいことから安定したリズムを続けることが難しいので、どんなに優れたムーブメントでも日差±15秒と言われています。もちろん精度が高いほど高額なムーブメントになります。(他にも装飾や仕上げの美しさ、複雑機構が搭載されているかで値段が変わります。)

クォーツ時計

今では数千円、100円均一のお店でも購入できるクウォーツムーブメントの時計は現代人に1番身近な腕時計ではないでしょうが?(今では一番身近な時計はスマホですが)実際に購入される時計の96%はクォーツ式時計というデータがあります。

クォーツは水晶のことです。水晶を電気で振動させると乱れない一定のリズムを刻みます。そのリズムを元に時を刻むのがクォーツ時計です。

利点は精度の凄まじさです。水晶の精錬度で差はありますが月差±15秒ほどだと言われています。これは驚異的な数字で、機械式時計が1日でズレる時間がクォーツ時計は1ヶ月ズレないのです。

何より驚異的なのは安価で製造できることです。

安価で買えるのに狂わない。

そうなると高価な機械式時計を購入する理由が無くなりました。これが『クォーツショック』です。売れなくなるのが当たり前と言わざる得ないほど圧倒的です。

スイスを中心に時計業界は倒産などかなり危険な状況に追い込まれました。捨てられ、忘れ去られそうな技術もあったと思います。そんな厳しい状況を乗り越えて機械式時計は歴史と工芸品的な美しさを評価されて復活します。

話がかなり逸れました。

クォーツ時計の長所は、コストの良さ。精度の良さ。

短所は、電池交換の必要性。電子機器の劣化による寿命。針を動かす力が弱いので大きな針を使えないデザイン的な制約があること。です。

機械式時計の長所は、手入れをすれば一生使える。子供や孫に引き継げるロマンがある(笑)それぞれ歴史がある。ステータスシンボルになりうる。

短所は、コストの悪さ。精度の悪さ。趣味性が高くなってしまった。

と言えると思います。

スプリングドライブについて

スプリングドライブはリズムを取る心臓部がクォーツです。動力はローターが回ることで蓄積する電力を利用しています。クォーツで作られたリズムは歯車を経て時を刻みます。

つまり、心臓部がクォーツ時計。それ以外は機械式時計のまさにハイブリッド時計なのです。

長所は精度の安定性。心臓部のリズムが正確で狂わないので精度は抜群です。クォーツに比べて電子機器を使用しないのでオーバーホールで一生使えます。機械式の歯車が力強いので大きな重い針を使えるのでデザインの制約もありません。

また、テンプは衝撃に弱く(振り子の動きが変わる為)ショックを与えることは厳禁なのですがスプリングドライブは振動やショックに強いです。

クォーツ時計の精度は月に±15秒ほどだと説明しましたが、スプリングドライブ搭載機に関しては更に高精度。とも言われています。(年に±10秒という記述も見かけましたがデマでしょう)

これはもちろん個体差や環境の違いがありますが、セイコーのクォーツ(水晶)は、3か月間かけてエイジングさせ、厳しい基準をクリアした水晶だけを選別して採用しているからです。

短所はコストがかかる点(定価が高い)ことと併せてオーバーホールが民間の修理会社や時計店に出せないので正規のルートでしか出来ない点です。定価が高額な上にメンテナンスもお金がかかります。

あと、構造の関係上ムーブメントが分厚くなるので比較的大きなケースが必要になります。(まだ薄型モデル存在していません)

加えて、長所として言われるのは作動音がかなり小さいこと。

クォーツムーブメントはカチカチと1秒ごとに針が進むステップ運針、機械式時計はチチチチとスムーズに運針するスイープ運針です。スプリングドライブに関しては駆動方式が機械式なのでスイープ運針が採用されています。電子制御されているせいか、一般的なスイープ運針よりも流れるように動くのが特徴です。

グランドセイコーのムーブメント

9S メカニカル(機械式)

9F(クォーツ)

9R(スプリングドライブ)

と3種類の展開があり、上記に説明してきた「スプリングドライブ搭載機」ばかりで無く他のムーブメントも評価が高いです。どのムーブメントもデザインた目的で多彩なバリエーションが存在します。

9Sムーブメントの特徴は〝10振動〟です。10振動と言われても何のことか‥と思います。

時計の心臓部のテンプ(振り子)は時計の精度に直接影響します。想像してもらえばわかりやすいと思いますが、振り子の動きが遅い(ゆっくり)と風の影響や揺らした時に振り子の動きに歪みや遅延が発生します。

振り子の動きが早いと動きが安定し、ちょっとの外因では歪みや遅延が発生しづらいです。

このことからテンプの動きが早いほど時計の精度が安定します。

ただここで問題があります。機械式時計は金属同士の摩擦が発生するのでそれを抑える為に油を差します。振動数が多いとこのオイルが早く無くなります。油ぎれを起こすと金属・歯車同士が直接当たるのですり減り、結果寿命が短くなります。

ですから一般的に「8振動/秒」や「6振動/秒」が一般に用いられます。時計のスペック表を見ると振動数が書いてあります。スペック表の表示は1時間あたりの振動数になっていますので

8×60×60=28800振動 (8振動)

6×60×60=21600振動 (6振動)

という表記になります。(振り子が1往復すると2振動とカウントされます。)

現在の機械式ムーブメントは28,800振動が主流となっており、28,800振動以上の振動数を誇るムーブメントはハイビート、逆に28,800振動未満の振動数はロービートと言われることが多いです。

まとめると、主な機械式ムーブメントの振動数は以下の通り。

・毎時21,600振動 (1秒間に6振動)

・毎時28,800振動 (1秒間に8振動)

・毎時36,000振動 (1秒間に10振動)

機械式時計はこのような振動数を持ちますが、現在の機械式時計における基準振動数は「28,800振動」です。パテックフィリップやオーデマピゲといった雲上ブランドには「21,600振動」のロービートが使われることもありますが、現代における定番はハイビート設計であるといえます。

上記で述べた通り、「グランドセイコーの9S」は10振動の超ハイビートムーブメントです。振動数が多い=運動量も多くなります。ということはゼンマイが長持ちしない問題もありました。

こういった数々の問題をグランドセイコーは部品の加工精度と軽量化に加え、ゼンマイも効率が良い改良と開発力で補いました。

単純に技術力でカバーしたのです。特別な新装置や構造を開発するのでは無く物の質を上げることで問題を攻略したのです。

もちろん「10振動」のムーブメントは精度が安定する長所もありますが短所も多くある諸刃の剣です。困難なら「10振動」では無く「8振動」にすれば解決できるのにその困難を技術で解決したグランドセイコーは凄いと思いませんか?私は感服しています。

クォーツモデルに関してはもはやいうことは無いでしょう。(なんせクォーツ時計の元祖)セイコーが特許を公開したことで「クォーツショック」が起きましたから(笑)機械式は手作りが当たり前でクォーツは工場は自動で作られていることが多いエスが、グランドセイコーのクォーツは職人が手作業で組み立てています。(もちろん電子機器などの部品は違うでしょう)

グランドセイコーのモデル

Elegance Collection

Heritage Collection

Sport Collection

Elegance Collection ドレッシーで落ち着いた印象のコレクション

「エレガンスコレクション」は、日本の自然界をモチーフにした、薄型のドレッシーなプレステージライン。『グランドセイコー』がこれまで扱ってこなかったプラチナなどの貴金属モデルもラインアップされ、500万円以上のモデルが存在するなど、世界の超高級時計市場で闘いを挑んだコレクションといえます。

Heritage Collection ベーシックな代表的なコレクション

2017年以前、つまりブランド独立前の『グランドセイコー』デザインを色濃く引き継ぐベーシックラインがこの「ヘリテージコレクション」です。奇をてらわないシンプルな3針モデルを中心とした品行方正な面持ちは、まさに「セイコースタイル」の正当な後継モデルといえます。飽きが来ない王道のドレスウォッチが多く揃い、孫の代まで使い続けたい人には最適です。

Sport Collection ダイバーズモデルも含んだスポーツ系のコレクション

タフさのみなぎる回転ベゼル、スポーティなクロノグラフ。「スポーツコレクション」は『グランドセイコー』中もっともアクティブなラインです。同ブランドの時計はスーツに合わせるもの、という既成概念を打ち壊す、攻めたデザインのモデルも登場し、ブランドの間口を広げることに成功しました。これまで面白みに欠けるとして『グランドセイコー』を敬遠していた個性を求める人にもぜひチェックしてほしいラインです。

まとめ

堅牢で丁寧な作りでメイドインジャパンを色濃く意識できる良品ばかりです。クォーツ モデルを購入しても満足度は高いと思います。

時計メーカーは一部の部品を他社や下請けに発注したりなど『完全自社製品』は数少ないですがグランドセイコー は『完全自社製品』を貫いています。このことが海外からの評価が高い理由でもあります。

代表的なモデルやモデル名が無いですが、是非店頭に足を運び見ていただきたいブランドです。