前回は窓の位置や数の重要性について
今回は窓自体の性能について
樹脂サッシを採用するかアルミサッシを採用するか悩んでいませんか?
その土地や気温、TPOに合わせてサッシを選ぶことで後悔なく過ごすことができます。
なぜならあなたに合った選択があるからです。
この記事では樹脂サッシとアルミサッシのメリット・デメリットを紹介します。
記事を読み終えることで、住宅にあわせたサッシの選択ができます。
○機能付き 高性能窓
最近の窓は断熱、遮熱、気密性に優れ、更に採光、耐久、デザインなどの性能が向上しており、生活を快適にしてくれます。特に、夏、冬はその性能の違いが室内環境に大きく左右してきます。
夏暑く、冬寒いのはもちろん、梅雨時期のカビや、冬の結露の原因も、窓の性能によるものの場合があります。
望んでいる性能や機能を分けるのは、材質の違いです。
もちろん金額と相談することになりますが色々な商品が用意されています。北海道や北摂でなければ日本ではアルミニウムサッシが1番身近ではないでしょうか?
昔から採用されているアルミサッシ。アルミは加工がしやすく軽量でコストに優れますが熱伝導性が高いので、外気の影響を受けやすいです。
冷凍肉を解凍する時、調理台やまな板にポン乗せするだけではなかなか解凍しませんが、アルミのトレーの上に置くだけで接触面はすぐに解凍します。
アルミ缶のジュースやビールも、氷多めの氷水に氷が接触するようにしながらくるくる回すと効率良く冷やすことができます。
それだけアルミは熱伝達が優れています。断熱とはほど遠い材質なのに日本のサッシはアルミが多いです。
外国などは木製サッシが多く採用されています。次に多いのは樹脂サッシ(プラスチック)です。木製も樹脂もアルミに比べ熱を伝えません。
ですので断熱性を考えた時、樹脂サッシの採用は優先的に行うべきだと思います。
ただ、最優先事項!!ベストな選択という訳でもありません。
日本でアルミサッシが多く採用されている理由は、高温多湿な日本の環境にあります。
木製サッシを使用すると長期間の使用は難しいと聞きます。(湿気で腐りやすい為)その点アルミは錆びず水にも強いので日本の多くの物件で採用されました。
実際、環境が異なる北海道では樹脂サッシの普及率は90%。生死に関わる冷気・寒さに対してアルミサッシは無力。
つまり、寒過ぎる環境でなければ、アルミでも樹脂でもサッシの能力はそんなに問題ではないような気がします。
実際、窓の面積に閉めるサッシの割合は大きくありません。
つまり、窓ガラスの熱伝導性が大事になってきます。
樹脂サッシのメリットは高い断熱性と熱を通しづらいことから結露が発生しづらいこと。
デメリットはアルミサッシに比べて高額な点と耐久面に問題がある点
プラスチックと考えると材質的に硬度(硬さ)や剛性(ねじれ)が劣るのでサッシ自体の厚みが大きい設計になってます。
このことから新築では問題ではないですが、古屋のリフォームで樹脂サッシを用いようとすると規格が合わずに入らないケースがあります。
そして、どうしても重くなります。
強度を保つために必要な処置なのですが、それぞれの窓を開閉してみれば誰でもわかるくらいに違いを感じれます。(大きな窓だと尚更)
耐久性に難があると書きましたが、建材なのでしっかりした作りになっているのは間違い無いです。ただ厚みやプラスチックが柔らかいという性質上コストがかかっているのは否めません。それでもアルミに比べれば割れる可能性は高いです。
経年劣化の問題は、アルミも多少劣化しますが一般的には問題ないレベルです。対して樹脂は劣化による割れや色の退色を生じることがあります。
樹脂の種類にもよりますし、環境にもよりますが劣化という点では金属には敵いません。
とは言え、塩害などが心配される地域ではアルミよりも樹脂が選択されます。その地域と風土に合わせた選択が必要になってきます。
私はアルミでも樹脂でもそこまで突き詰めてこだわる必要は無いと考えました。理由は金額は上げるだけならどこまでも上がります。反面下げようと思えば工夫や何かを切り詰める作業になるので下げる努力が必要な点です。
もう1つ言えば、当方は大阪なので、極寒という気温でも無く。毎年雪が積もる訳でも無く。夏は最近とても熱くなってきましたが(平均37~40℃の間、ホント勘弁して)それでも暮らし易い気候だと思います。
もちろんサッシに金額をかけるのが難しかったこともありますが、サッシで死なないとも思いました。
○窓ガラスの断熱
Google で「窓ガラス断熱」と検索すると、ペアガラスの案内より断熱シートの販売が出てきます。
新築でとなるとペアガラスの仕様が今は標準になっていると思います。
ペアガラスでも中の空気層にアルゴンガスが封入されているものもあり、宣伝ではそちらの断熱性能はノーマルに比べてかなり良い様子です。試してないのでどんなものかはわかりませんが、そういう選択もあります。
図
夏は暑い空気が74%室内に入ってくるイメージです。(実際に空気が入ってきてる訳でなく、『熱が伝わる』と思って下さい)
冬は52%暖かい空気が逃げていく印象です。
つまり、夏は窓の外に日除けで日光を遮り。冬は内側を厚くして室内で温めた空気が逃げないようにすれことが大事ということがわかります。
難しいのは夏の日差しを避ける作りにすると冬は日が入らず寒く
開放的に大きな窓にすると熱が逃げていくので何事もバランスが大事です。
ここまで言ってますが、結局夏はエアコン、冬は暖房を使うので快適に過ごせると思います。要はどれだけ無駄を作らないという選択です。
ポイント
空調などの冷暖房器具を使って室内を快適にする。その快適さを寝るのロスがないために安価に維持することができる
アルミサッシ。2階の線路側は二重サッシになっています。
インナーサッシ(内側)は樹脂サッシ。防音効果は、流石に電車の通行音に関しては無力(笑)
ガラスはペアガラス。
ちなみに、結露に関してはアルミサッシの部分にしっかり水滴があり、4人で一晩寝ると水が溜まっています。
防音の為に標準仕様だった線路側の2重窓ですが1番の恩恵は断熱効果です。冬は寒くなりますが空気層の温度は内側より少し冷たい程なのでしっかり熱を維持(外に逃げない)しているのがわかります。
まとめ
樹脂サッシのメリット
結露がつきにくい
断熱性に優れている
寒い地域では樹脂一択!
高気密・高断熱を目指すなら樹脂がオススメ
樹脂サッシのデメリット
アルミに比べて高額
アルミに比べて重くなる
アルミに比べて耐久性が劣る
アルミサッシのメリット
コストが優秀
強度が高い
塩害がある地域ではアルミ一択!
アルミサッシのデメリット
寒い地域ではオススメしない
断熱性が低い
結露が多い
多くの失敗例を知ることは、家づくりで失敗しないための第一歩です。
暮らす時のイメージをしっかりと持つ
まずは、今住んでいる住宅を比較にすると、わかりやすいのではないでしょうか。まだ暮らしていない家のイメージを持つというのは難しいものですが、すでに暮らしている住宅であればイメージはつきやすいですし、不満点やあってよかった点などが体感としてわかっていると思います。
工務店や住宅メーカーとよく相談
多くの家を建てている工務店や住宅メーカーほど、失敗してクレームになった経験も多いです。窓に対してどんなクレームがあったか聞いてみるのもよいでしょうし、失敗しないような提案をしてもらえるはずです。
とはいえ、性能の良い新しい製品も日々開発されています。担当の方が知らないこともありますので、提案されたことを全て鵜呑みにせず、自分で調べることも大切です。