SINN、ドイツの過剰技術時計の簡単紹介。ジン編

時計

SINN : ジン特殊時計会社

出典:http://www.sinn-japan/index.html

高級時計を扱っている雑誌やブランドを紹介する書籍などを見ている時に目についたブランドです。

ドイツのメーカーで実用的なデザインとそれに併せた過剰なほどの独自技術が特徴です。

いまでこそ、クラシックでエレガントなモデルやレディースウオッチも手がけていますが、ジンの時計の原点はパイロットウオッチやミリタリーウオッチといった、視認性や機能性を突き詰めたプロユースの特殊モデル。

時計は装飾品の面もあわせ持っています。鏡面磨きをしたり、異なる材質を交互に重ねたり(金とステンレスとか)女性用のモデルになるとダイアモンドを使用したりなど色気を出すというか、着飾る要素があります。

が、ジンの時計はその要素はほぼありません。

もちろん女性用の時計もラインナップしていますのでそちらは煌びやかな作りになっています。が主軸のモデル群は実用性を突き詰めた作りになっています。

事実、それは会社名にも表れています。現在、日本ではシンプルにジンと呼びますが、正式名はドイツ語でSINN SPEZIALUHREN (ジン スペツィアルウーレン)。日本語では“ジン特殊時計会社”となります。特殊なんです(笑)

ジンの歴史

第二次世界大戦でドイツ空軍パイロットとして軍務に就き、1950年代には自動車ラリーでも活躍したヘルムート・ジンが設立した会社です。古くからある老舗時計メーカーに比べると歴史は浅からず・深からずといった印象でしょうか。

ヘルムート・ジンはパイロットの経験を生かし過酷な状況下で使える精度を持つ時計を開発しドイツ空軍に時計を納入。

その後のモデルでドイツの税関犯罪局、警察特殊部隊、消防レスキュー部隊、対テロ部隊などが正式採用しています。実戦やコンバットなどに適したモデルになっています。

ネット以外ではほぼ見かけない。

外出してチラチラ手首を見ている私ですが、ジンを見たことがありません。

近隣のイオンにある専門店街の時計店になぜか置いてありまして、実物も見たのはそのお店が初めてでした。(公式サイトに販売店一覧が提示されているのですが、こちらの店舗は掲載されていませんでした。)

個性的と言われれば超個性的で、「オタクがしている!」と言われても仕方無いかもしれません。

芸能人では誰がしていますか?と問われれば「チュートリアル」の徳井義実さん。と超個性的な名前が出てきます。活動自粛していますが(2020年4月現在)バイクもとても個性的なハスクバーナ。時計などは例の騒ぎで売却したかもしれません(時計もバイクも)が、ジンは曲者が持つイメージが私の中であります。

ジンの技術

時計の機能といえば、レーザーが出たり。強力な磁石になったり。爆発したり。ベゼルが回転してノコギリになったり。シンプルに通信機だったり。映画007の世界ではそれが英国エージェントの標準仕様なのかもしれませんが、日本では『この技術が凄くて!』『あれがこうでどうにかこうにか!』『こんな部分が他と違ってうんぬんかんぬぬぬん』だとか言うとオタク扱いされてしまう悲しい世襲があります。(特に自動車やバイク)

そんなオタクが大好きな分かりやすい機能と技術がジンには搭載されています。女性にはどうでもいい内容かもしれませんwww

ジン独自の技術

出典:http://www.sinn-japan/index.html

ハイドロ 『5,000mの驚異の防水性能』

時計の内部に特殊なオイルを封入することで時計内部の気体の収縮率を海水や淡水と同じにすること(パスカルの原理の応用)でゴツゴツした分厚いケースを使わなくても5,000mの高い防水性を獲得。

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Arドライテクノロジー 『時計を湿気から守る除湿機能』

空気に含まれている湿気や水蒸気は時計内部のオイルの劣化を招きます。乾燥剤をカプセルに充填した〝ドライカプセル〟を搭載。、また時計の内部も希ガス(極めて安定したガス)を充填させることで静電気や不安定ガスを含む空気を可能な限り排除します〝プロテクトガス〟。文字盤のArマークはプロテクトガス封入の印です。また〝EDRパッキン〟という従来のパッキンに比べて水分の浸透を最小25%にまで削減するパッキンを採用。

〝ドライカプセル〟〝プロテクトガス〟〝EDRパッキン〟の3本の矢で時計を湿気から守ります。

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ジン特殊オイル66-228  『低音から高温までの精度保証』

機械式ムーブメントのパーツが円滑な運動を行えるように使用している潤滑オイルは、通常-25℃で粘性が高くなり(硬くなり)精度に影響を与えます。ジンの特殊オイルは-66℃まで粘性を維持し+228℃まで蒸発が起きません。このことから温度変化に極めて強い。

機械式ムーブメントのパーツが円滑な運動を行えるように使用している潤滑オイルは、通常-25℃で粘性が高くなり(硬くなり)精度に影響を与えます。ジンの特殊オイルは-66℃まで粘性を維持し+228℃まで蒸発が起きません。このことから温度変化に極めて強い。

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マグネチック・フィールド・プロテクション 『80,000A/mの高い対磁性能』

防磁するためには軟鉄を使用したインナーケースでムーブメントを磁力線から保護しますが、ケースが必要以上に分厚くなる難点がありました。

そこで人は軟鉄を使用した〝マグネチック・フィールド〟で磁力線を遮断、結果80,000A/mの高い対磁性能を実現。軟鉄製のリングでムーブメントを囲み、文字盤と裏側にも軟鉄素材を使用しています。

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テギメント 『セラミックス同等以上の高度を誇る耐傷性』

窒素を利用した加工をケースに施すことで鋼材の表面に炭素分子を拡散・浸透させ、焼き入れをしれ硬化させる技術です。(要はとても表面に硬い膜を張るイメージ)

素材の表面はセラミックスと同じあるいはそれ以上の硬度になります。(要は硬い)

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ディアパル 『長期にわたる精度の安定』

脱進機のガンギ車に特殊な素材を採用することで潤滑オイルを使用しなくても部品同士の摩擦が起きない仕組みです。オイルの劣化が無いのでオーバーホール期間の延長が可能です。精度も上がります。

特殊結合方式の回転ベゼル 『絶対に外れない回転ベゼル』

不意な衝撃や力の入る方向によっては回転ベゼルが外れるケースがあります。ジンでは、はめ込み式でなくジン独自の特殊技法でケースにセット。絶対に外れすことはありません。

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〔Q〕テクノロジー 『人体が感じる電磁波の遮蔽』

クォーツ・ムーブメントのモーターは動いている間電磁波を発生させています。

ジンでは電磁波の周波数と同調する吸収特性を持った特殊な合金でムーブメントを覆うことで電磁波を閉じ込めます。

 

以上の過剰とも言える技術を時計に搭載しています。もちろん全ての時計に全ての機能が搭載されている訳ではありませんので、そのモデルの用途に合わせて必要な機能が搭載されています。

個人的にはディアパル (精度の安定とオーバーホール期間の延長)とArドライテクノロジー (内部の湿気を防ぐ機能)は長く使用・所持する為の優れた技術だと思います。

対磁性や傷が付きづらい工夫は他のメーカーもそれぞれ知恵を絞って対策していますが、ジン特殊オイル(温度変化に強い)とArドライテクノロジー(除湿)に関しては他のメーカーに無いジン独自の優れた過剰技術だと言えます。

ジンのムーブメントに関して

出典:http://www.sinn-japan/index.html

ジンの搭載するムーブメントはほぼ全てのモデルで〝ETAのカスタム〟が搭載されています。独自のカスタムが施されている様子で、信頼と安定の歴史あるETAムーブメントなので安心です。

価格も20~30万円の入門価格で購入できるのも心強い点です。もちろんそれ以上の価格帯のモデルもあります。

定番のラインナップがある一方で限定モデルが数多く出ている印象があります。500本の少数生産や日本限定モデルなど本数は少なくても頻繁に限定モデルをリリースしています。

ジンのモデルについて

ジンは数多くのモデルをリリースしていますが、独自の技術を生かしたダイバーズウォッチとパイロットウォッチが主軸になっています。

数が多く全てを紹介するのは難しいですが、どのモデルも独自技術と機能性の塊です。

103シリーズ

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優れた視認性、刻時・計時精度を誇る極めてシンプルなダイヤルを備えたクロノグラフ。両方向回転式のベゼルは60年代にドイツ空軍クロノグラフとして制式採用されたモデルをリスペクト。強化アクリルを装備した懐古的なモデルだけでなくサファイアグラスやチタンケースなど多彩なバリエーションがあります。

限定モデルでフェイスが青になっているモデルが過去にリリースされましたが発色が良く購入を考えさせられるカッコよさがあります。

EZMシリーズ

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EZM3

EZM(アインザッツ・ツァルト・メッサー)の頭文字で、アインザッツは危険をおかす出動・出勤を意味。ツァイトは時刻。メッサーは計測機器を意味します。

出撃用計測時計のコンセプトは「使うためだけの時計」という理想の上にあります。成功・失敗しない選択肢しか許されない特殊部隊の最高のパートナーとなるためにヒューマンエラーを徹底的に廃したデザインと機能性を誇ります。

ともうここまで来ると行き過ぎなような印象の時計です。リューズが左側なのも左利き用の配慮では無く手袋や手の甲、装備にリューズが干渉しない為の配慮だったと記憶しています。

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EZM13

もちろん他にも紹介しきれないモデルや日本限定モデルが数多くあります。

以前紹介したパネライもそうですが、今後機会があればどうにかして導入したい時計です。

優先順位をつけると

1、スピードマスター プロフェッショナル

2、パネライ

3、ジン

と他にも気になるモデルはありますが生涯でこれは達成したいと考えています。(どうでもいいですね)

ジンは扱っているブティックや時計店が少ないことと知名度が低い点で他人に気がついてもらえなかったりそもそも購入が(遠方で)難しかったりハードルがあると思います。

ただ、渋谷には大型基幹店がありますし本気ならどうにでもなると思います。(ネットなど並行店で購入すれば価格も抑えることができます)

他人と被ってしまう危険性がないことも強みだと思います。もう1つ言えば、入門したての一本目の選択肢にしたり、一本買った後のセカンドとしても十分選択肢に上がる時計だと思います。

ジンは丈夫で日常使いに適しているので、毎日つけるのはジン。OFFやお出かけにはなもう少し高価な時計をして出かける。というパターンも有りです。(ってそれ私やんwww)

行き過ぎた機能とこだわりのジンの紹介でした。